「顔真卿」展の後に寄りたい書道展の穴場はこちら(3月3日まで)
連日大にぎわいの「顔真卿」展。
私が見に行った2月8日には10万人を突破したそうです。
そんな中、すぐ近くで書の名品がひっそりと展示されている場所があります。
東京国立博物館の東洋館。
「顔真卿」展は同じ博物館の平成館ですが、その建物のすぐ近くです。
「王羲之書法の残影 -唐時代への道程-」というテーマの展示です。
ここは、混雑している「顔真卿」展との全く違って、けっこう落ち着いて見ることができます。
そして、写真も自由に撮れます(ただしフラッシュは禁止)
でも、展示されているのは一級品。
こちらにも王羲之の名筆「蘭亭序(らんていじょ)」があったりします。
「蘭亭序」の本物は、苦労して手に入れたとされる唐の太宗皇帝とともに墓に埋葬されたと言われ、残っていません。
いま残っているのは、ぜんぶが王羲之以降の書の達人による模写(「臨書」)とされています。
定武蘭亭序(呉炳本) 王羲之筆 中国 東晋時代・永和9年(353) 高島菊次郎氏寄贈 (写真はその一部)
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ここで展示されている「定武蘭亭序(呉炳本)」は、欧陽詢(おうようじゅん)という人の模写だとされています。
そして、白字に黒の背景になっている作品は、「拓本」です。
書を刻印した石に墨を塗って、魚拓みたいな感じで紙に写し取るので、白黒が反転します。
てことは、コピーにコピーを重ねた「孫コピー」になるということでしょうか。
拓本だと、 文字を刻み込む石屋さんの腕もよくないと、元の書のすごさも出てこないんじゃないかと思います。間接的でまどろっこしい感じですね。
それでも貴重な作品であることには変わりありません。
落ち着いて見ることができました。
ほかにも、高校の書道の授業で名前だけ印象に残っている「牛橛造像記(ぎゅうけつぞうぞうき)」とかも展示してあって、懐かしい感じがしました。
牛橛造像記 中国 北魏時代・太和19年(495) 今泉雄作氏寄贈
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「顔真卿」展は2月24日で終わってしまいますが、こちらの東洋館の展示は3月3日までと少しだけ長いです。
「顔真卿」展を見た後に寄ってみられるのもおすすめですよ♪